東京都文京区 「湯島聖堂」の孔子祭

毎年、4月の第4日曜日(10:00~)は、湯島聖堂の「孔子祭」です。

 

「孔子祭」は、正式には、「釈奠(せきてん/しゃくてん/さくてん・釋奠)」とも呼ばれます。

「釈奠」とは、孔子および儒教における先哲を先師・先聖として祀る儀式のことで、

本来は学問・教育において広く先聖を祀る儀式でしたが、

中国において儒教が国教となったことから、

儒教の祖である孔子を祀る祭祀を特に釈奠と呼ぶようになりました。

孔子祭りは、他に、

佐賀県多久市の多久廟(毎年4月18日と10月の第4日曜日)や

栃木県足利市の足利学校(毎年11月23日)でも行われています。


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この日は上野で人と会う予定だったので、

その前に何か神社のお祭りはないかなとネットを見ていたら、

孔子祭があるということで、行ってきました♪

湯島聖堂は、神田明神のすぐ近くです。

JR御茶ノ水駅

 

端を歩いていくと、丸ノ内線のすぐ奥に見えるビルの谷間の緑地が「湯島聖堂」です。

丸ノ内線からは、東京医科歯科大学とは逆の坂を下りて行きます。

この塀は湯島聖堂の外壁です。

入口 「孔子祭」ののぼりが掲げられていました。

講座の案内板

湯島聖堂の由緒

奥は受付、売店です。

孔子祭が行われるのは、孔子廟のある大成殿です。

湯島聖堂見取り図

入口

「仰髙門」 額-徳川圀順公爵の筆(元、持明院基輔(藤原基輔)の筆。)

門の奥には緑が広がっています。

都会のオアシスみたいで、とてもいい雰囲気です。

突き当り右側に青銅の孔子像。

昭和50年(1975)中華民国台北市 ライオンズ・クラブからの寄贈されたもので、
丈高15呎[4.57メートル]重量約1.5トンの孔子の銅像は世界最大だそうです。

大きさを比べようと、隣に並んで写真を撮ってもらったはずなのですが、

なぜか撮れてなかったので残念。

後ろには大きな銀杏の木。

この木は、楷樹です。

楷樹は孔子のお墓がある孔林(中国山東省曲阜)から

初めて日本に種子がもたらされました。

成長した株は、多久聖廟(佐賀県)、湯島聖堂(東京都)など、

儒学のゆかりの地に植えられています。

楷樹は、「楷書」の語源にもなっているそうです。

スタジイの木

 

さらに奥へ

神社仏閣ではないですが、手水舎もあります。

入徳門 額-藤原基輔の筆

「聖人の教えで道徳に入る門」という意味です。

なので、手水舎はこの門の横にあるのかと。

さらに階段を上がって

 

「杏壇門」 額-徳川家達公の筆(元、持明院基輔(藤原基輔)の筆。)

「杏壇」とは、孔子が学問を教えた壇のことで、

周囲に杏(あんず) が植えてあったことから、転じて、学問をする所・学問所・講堂を意味します。

杏壇門の左右には、学業成就・合格祈願の絵馬がたくさんかかっていました。

来賓は中国本土ではなく、台湾の方でした。

大成殿前の広場

 

屋根には鯱?(神魚「鬼犾頭」です)

「大成殿」 額-伏見宮博恭王の筆(※元々は徳川綱吉の筆による。)

黒と朱塗りで、中国のお寺のような宮殿のような造りです。

 

祭祀の様子を少しご紹介します。

「修祓」 祓祝詞の後、参加者にお祓いをしているところです。

神事は、すぐ近くの神田神社(神田明神)神職が執り行っています。

献茶に向かう煎茶道松風花月流の家元とお弟子さん

式典終了後は、外でお茶を振る舞われてました。

祭文奉読は、徳川恒孝氏(財団法人斯分会名誉会長)。

徳川宗家第18代当主だそうです。

撤幣(聖像を収めた籠を撤収する儀式)の様子。

講経の様子(「術而第七・第六章」 二松学舎大学名誉教授 中田勝)

【式次第】

参会者着席/来賓着席/祭主祭官伶人着席/修祓(祓詞を奏する)/開扉奉楽警蹕 (雅楽の演奏とともに、孔子廟の扉を開ける)/奠幣(聖像を納めた籠を修めて神を迎える儀式)/奠饌奉楽(雅楽の演奏とともにお供え物の奉上)/献茶(煎茶道松風花月流 高野楓石家元)/祭文奉読(徳川恒孝 斯文会名誉会長)/祭主拝(徳川恒孝)/来賓拝(台北駐日経済文化代表處 詹富森)/参会者代表拝/来賓祝辞/徹饌奉楽/閉扉奉楽警蹕/祭官伶人退席/講経(二松学舎大学名誉教授 中田勝)/孔子嶺徳の歌(二松学舎大学附属高等学校生徒)/理事長挨拶(石川忠久)/祭主来賓退席/参会者退席

祭祀の動画は、一番下に掲載しています。

 

雅楽の演奏とともに、荘厳な雰囲気で式は進行していきました。

湯島聖堂の大成殿は、土日祝日のみ見学できますが、

祭祀は年に一度ですので、良いものを見せていただきました。

 

ryakushikijoji

参考までに、足利学校の式序次です。 足利市公式サイト

今年で106回目の予定です。

 

足利学校の釋奠 平成23年前半
http://www.youtube.com/watch?v=YrvPtjr8iFo&feature=youtu.be

足利学校の釋奠 平成23年後半
http://www.youtube.com/watch?v=4FYnmq2pG2Y&feature=youtu.be

出席者は紋付袴&黒留袖で、なかなか良い雰囲気ですね。

オーディエンスは外から椅子に座って見てます。

祭祀終了後の孔子廟と大成殿の中の様子です。

大成殿の中の様子。

手前に御焼香の香炉

正面に孔子像

アップ

左右には孟子、顔子、曾子、子思の四賢人の像

幣(聖像を収めた籠)

お供え物

生たらこ、生の鶏ささみ肉、果物、日本酒、和菓子、煎茶等

生魚は震災後から写真になったということです。なぜだか分かりませんが。

椅子

 

壁には壁画。

下にはその案内板。

掛け軸。

湯島聖堂は、関東大震災で焼失してしまったので、

これらの美術品は、筑波大学芸術部の学生さんによる復元だそうです。

鬼犾頭(きぎんとう)は、もともとは犬のようなものが魚に変化したもので、想像上の神魚です。

水の神として火を避け、火災を防ぎ、建物を守るために祀られます。

こちらが、大成殿の屋根の上に飾られているのと同じもの。

「宥座の器」もあります。

やっているのは、二松学舎大学附属高の生徒さんです。

式典で、「孔子頌徳の歌」を合唱していました。

 

見学も終わったので、売店の方へ。

高層ビルに囲まれた静かな空間。

奥には、ニコライ堂の屋根も見えます。

本当に都心とは思えない静けさ。お散歩には最適な空間ですね。

東京は都心にこういう場所がいくつもあるので、やっぱりすごいなぁと思います。

休憩所の脇に「有教無類」の額。  「教えありて類なし。」

まず、教えがあって人間の価値には善も悪もないのだ
人間は教育が問題で、身分は問題ではない

 

帰りに売店に寄ってみました。

論語集やポストカード

書の達人による論語の色紙

合格守りに

合格絵馬

論語入りの合格えんぴつ。

ちょっと見づらいですが、寄付金の額がすごいです。

第一生命、トヨタ、日立製作所 500万円 は分かるとして、

個人でも400万円~100万円という方が何人もいました(@_@)

幕府の官立の昌平坂学問所ですから。

それに、神田には大学がたくさんありますね。

まさに、学問の聖地、ここはその中心部ですね。

受験生にとっては、最大級のパワースポットと言っていいのではないでしょうか。

そうでない方にとっても、癒しの空間です♪

パワースポット度は★★★3.5くらい。

 

御朱印があるか伺ったところ、ありました(^_^)

神社でもお寺でもないということですが、

神事を執り行うのは神田明神の神主さんですので、

神社の御朱印帳に書いていただきました。

湯島聖堂1

御朱印 萬世師表 湯島聖堂 孔子廟

 

動画です。あまり画質は良くありませんが、雰囲気だけでも味わってください。

その1 神田明神神職によるお祓いの祭祀。

 

湯島聖堂

東京都文京区湯島1丁目4−25

TEL:03-3251-4606


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